研究紹介

本研究室では超精密加工・計測・表面評価技術をキーワードとして研究活動を行っています。

ものづくり技術の新しい分野である超精密・マイクロ加工学の研究・開発に重点をおいて、切削・研削・研磨といった従来の加工方法を融合した視点から、超精密・超微細・超平滑など超を極めた加工法を発展させることを目的とし日々実験研究、解析等を行っております。

こうした加工の理論付けや現象解明を行うともに、それらが実現できる新型加工装置の設計・開発を行い、実用化を目指しています。

軟質金属の鏡面切削

研究テーマの1つとして軟質金属の鏡面加工を行っています。

研究背景・目的

IT産業, 精密機器産業に限らず, 自動車産業などの分野でも半導体部品の需要が高まっている。
良質な表面加工が実現できれば加工技術が向上し, 需要に応えることができる。

加工技術向上のためには, 切削状態を知ることが重要

そのため、ダイヤモンドバイトによる軟質金属の鏡面加工の解明を目的としています。

CVD-SiC・サファイアの研磨

研究テーマの1つとしてCVD-SiC・サファイアの研磨を行っています。

研究背景・目的

CVD-SiCミラー基板には高強度・高耐熱性・高耐食性・高純度・高硬度という特徴があります。

その為、宇宙望遠鏡用ミラーやシンクロトンミラー放射光施設用ミラーなどに使われています。

ただし、CVD-SiCは高硬度ゆえに脆く加工が難しく、表面荒さを良くすることが難しいです。

そこで本研究室では表面荒さの改善と加工能率の向上を目指して研究を行っています。

研削加工時の熱解析

研究テーマの1つとして研削加工時の熱解析を行っています。

研究背景・目的

研削加工の特徴として、砥石を用いた高速微小切削によって、仕上げ面の高精度加工を能率的に加工できる点があります。 

しかし、実際の研削加工では砥石の切り込みなどにより熱が発生し、研削面の加工精度に影響を与えます。

そこで実際の研削によって発生する熱の計測・解析を行い、より高精度の研削加工の実現を目指しています。

ローラーヘミング加工の原理解明

研究テーマの1つとしてローラーヘミング加工の原理解明を行っています。

研究背景・目的

ヘミング加工とは二枚の金属板を重ね合わせ、一方の金属板の縁をもう一方の金属板の縁に沿って折り曲げることによって、二枚の金属板を接合する加工方法です。

ヘミングでは様々な品質不良が発生し、一つ一つの品質不良が直接製品の品質へ影響を及ぼします。

ローラーヘミングは逐次加工のためプレスヘミングでは見られない新たな品質不良が確認されています。

本研究室では、実際の工場で使われている機械を用いて曲げ試験を行い、FEM 解析、断面形状、ビッカース硬さ測定、応力、荷重などの観点から曲げ挙動の考察を行っています。

※本研究は(株)高津製作所との共同研究の一部として行なっております。

ホイール割断加工の可視化

研究テーマの1つとしてホイール割断の可視化を行っています。

研究背景・目的

ホイール割断は、薄板ガラスの分断加工において一般的に用いられる技術です。

スクライビングホイールと呼ばれる工具を用いてガラス表面に亀裂を導入し、外力により亀裂を進展させガラスを分断します。ホイール割断は簡易的な機構で比較的高品質な断面が得られ、また熱影響や歩留まりといった点でも優れた手法です。

さらなる技術向上のため、特に亀裂形成と生成される新生面の形態に着目し、亀裂形成挙動と応力分布の可視化により加工メカニズムを解明することを目的としています。